♦Q & A
ナグモクリニックGID外来に寄せられるご相談の中で、特に多いものを公開しています。随時更新している、最新の内容です。専門のカウンセラーが、責任を持ってお答えしています。
精 神 科
Q |
精神科ではどんなことをするのですか? |
A |
基本的には性同一性障害(GID)であるかどうかのカウンセリングを行います。 家庭裁判所に提出する改名や戸籍変更の申請書類の作成も行います。また臨床心理士による心理テストをおこなうこともあります。 |
Q |
心理検査はどのような目的でどんなことをするのですか? |
A |
ガイドラインでは性別違和の訴えが統合失調症などの精神障害によるものではないことを判断した上で性同一性障害(性別違和・性別不合)の診断を行いますが、診断の補助で心理検査を用いることがあります。また、患者様を多面的に理解する手掛かりにもなります。心理検査はアンケート方式のものや心理士と共同で行う検査などいくつか種類がありますが、どの検査を行うかは個人によって異なります。検査料金は保険適用です。 |
Q |
費用はいくらかかりますか? |
A |
保険が効きますので、初診は2,500円程度、再診は1,500円程度の負担でカウンセリングを受けることができます。 |
Q |
診断までの期間はどのくらいですか? |
A |
決まった期間はありませんが、3ヶ月〜1年程度必要になります。 |
Q |
すでに体の治療(ホルモン、胸、精巣摘出等)をしてしまいましたが、受診できますか? |
A |
もちろん可能です。次のステップへ向かう評価のためや、戸籍変更後であっても順調な社会適応のために定期的な受診をお勧めします。ただし、混合診療を回避するために自費になることがあります。 |
ホルモン(FTM・MTF)
Q |
寿命が短くなると聞きますが、本当ですか? |
A |
一概には言えません。長期にわたるホルモン療法の影響を追跡した研究がないからです。 ある主張ではマイナス影響、ある主張ではプラス影響があり、総合した評価が難しいのです。 例えば、FTMへの身体治療(乳房切除、子宮・卵巣切除)は考えようによっては癌の予防的切除ともとれるような治療が多いので、果たして本当に寿命が短くなるのかと思うわけです。 |
Q |
副作用にはどのような症状がありますか? |
A |
FTM @ 肝機能障害 A 著明な体重増加(血清コレステロールの上昇) B 多毛、色素沈着、皮膚の乾燥 C 座瘡、毛嚢炎、汗腺症 D 頭髪の減少 E 生殖機能の喪失 などがあります。 |
A |
MTF @ 深部静脈血栓症、心不全、心筋梗塞、脳梗塞 A 肝機能障害、貧血 B 頭痛、めまい C 乳頭の過敏症、乳輪色素沈着、乳癌 D 精巣、前立腺の萎縮 E 性欲の減退、夜間勃起の減少 F 生殖機能の喪失 などがあります。 |
Q |
戸籍変更後は保険適応になりますか? |
A |
保険適応の可能性はありますが、一度お問い合わせ下さい。 |
Q |
SRS(性別適合手術)後はどの程度の頻度でホルモンを打ったらよいですか? |
A |
以前はSRS(性別適合手術)後は投与間隔は倍程度、間隔が同じなら投与量は半量でよいといわれていましたが、最近は「気力」に直結したり、将来の骨密度に影響が大きくでる若年の患者さんには、血中ホルモン濃度はあまり下げない方が良いと考えられており、SRS前と同じ頻度や投与量で投与されることも多くなっています。 |
Q |
ガイドラインに沿っていないのですがホルモンはできますか? |
A |
当院ではガイドラインに沿った治療を行っているため、当院の判定会議の承認を経た後に治療を開始いたします。ただし、既に長期にわたりホルモン療法を行っている方で、当院での治療継続を希望される場合はお受けすることもあります。 |
Q |
費用はいくらかかりますか? |
A |
1回の投与で1,100円〜3,300円です。間隔は種類やFTMかMTFかで1〜4週間間隔と違いがあります。また定期的な血液検査に7,700円〜11,000円程度必要です。 |
Q |
効果はどれくらいででますか? |
A |
ホルモン療法の効果ほど個体差がでるものはありません。少量、短期間で劇的に変化を遂げる場合もあれば、比較的耐量、長期間投与をもってしてもそれほど変わらない場合もあります。 投与を開始する年齢にも大きく影響されます。若ければ若いほど効果は高くなります。 |
胸 部 形 成
■FTM | |
Q |
手術前にホルモン注射はしないほうがよいですか? |
A |
特に影響はありません。むしろ投与によってある程度萎縮が感じられたり、血が濃くなることによる術後回復への好影響が期待できます。 |
Q |
どれくらいで普通の生活ができますか? |
A |
元のバストの大きさなどにも左右されますが、2〜4週間程度はかかるでしょう。 |
Q |
合併症はどんなことがありますか? |
A |
@ 異常出血・血腫形成 A 創感染 B 皮膚穿孔・皮膚壊死 C 乳頭・乳輪壊死 などがあります。 |
Q |
ガイドラインに沿っていないのですが胸は取ってくれますか? |
A |
当院ではガイドラインに沿った治療を行っているため、当院の判定会議の承認を経た後に治療を開始いたします。 |
Q |
費用はいくらかかりますか? |
A |
55万円〜88万円程度かかります。当院では自費対応となります。 |
Q |
傷は残りますか? |
A |
元のバストの大きさ、年齢、鍋シャツの使用年数などによって術後の傷跡は変わってきます。 患者さんによって違う結果になることをまずは理解することが大事です。 |
■MTF | |
Q |
MTFでも女性と同じように豊胸できますか。仕上がりはどうなりますか? |
A |
元のバストが小さい割にアンダーバストが大きい傾向がある点をよく理解したクリニックであれば女性と同じような仕上がりを期待できます。また、女性ホルモン投与歴が長いほうがより女性らしい結果になります。 |
Q |
費用はいくらかかりますか? |
A |
術式によって異なりますが、88〜110万円程度です。 |
性別適合手術/SRS(FTM・MTF)
Q |
普通の生活に戻るのにどれくらいかかりますか? |
A |
FTM どのような方法の手術を行うかで全く違いますが、陰茎形成術の場合1ヶ月は必要です。 |
A |
MTF 皮膚反転法か大腸法かでも違いがありますが、通常1ヶ月程度かかります。 |
Q |
仕事はどれくらい休んだらよいですか? |
A |
1ヶ月程度は休んだほうがよいでしょう。 |
Q |
費用はどれくらいかかりますか? |
A |
FTM 内摘のみ:99万弱です。 陰核形成:66万円程度です。 |
A |
MTF 皮膚反転法、皮膚移植法が共に143万円程度です。 大腸法 220万円程度です。 |
Q |
どのような術式ですか? |
A |
FTM @子宮・卵巣摘出術/尿道延長術/陰核形成/睾丸形成術を施行します。 A尿道延長術では尿道を新しく作り陰核の付け根まで移動します。 B陰核形成術では、陰核の位置を前方に移動させます。 C睾丸形成術ではシリコン性の球体を皮下に埋め込みます。 D使用する麻酔は全身麻酔/硬膜外麻酔/腰椎麻酔/局所麻酔になります。 |
A |
MTF @皮膚反転法 尿道と直腸の間を剥離し膣のスペースを作り、そこに陰茎と陰嚢の皮膚を入れ込みます(内張りします)。 一期的方法と二期的方法があります。 A大腸法 尿道と直腸の間を剥離したスペースに、切り取ったS字結腸を移植し膣を形成します(S字結腸を切り取るために開腹します)。 |
Q |
合併症はどんなことがありますか? |
A |
FTM @ 薬剤副作用・アレルギー A 異常出血・後出血 B 血腫形成 C 輸血の必要性 D 創感染 E 創離開 F 尿道瘻孔・尿道閉塞・尿道狭窄・残存膣孔閉塞・尿道皮膚漏 G 移植・皮膚組織の壊死 H 褥瘡・神経麻痺(特に腓骨神経) I 腸閉塞・腹膜炎・肺塞栓 などがあります。 |
A |
MTF @ 異常出血・血腫形成 A 創感染・創離開 B 直腸膣瘻孔・尿道膣瘻孔 C 皮膚組織の壊死 D 深部静脈血栓症 E 尿道狭窄 F 海綿体残存 G 腟狭窄 などがあります。 |